030533 ランダム
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Hobby the world?

Hobby the world?

疑問弐

夜遅く、シーアはグレン団長のもとを訪れていた

つい最近に思い出した記憶のことを話しに行くために





グレン団長私室


「何か思い出したのか?」

「はい」

「とにかく、まずは座れ」

「はい」

シーアは促されるがままに近くの椅子をひいて座った

「…何を思いだした?」

シーアが座ったのを確認すると、グレンの方から切り出した

「俺が始祖と呼んでいる女の友人がいることがわかりました」

「始祖?」

「はい

詳しくはまだ思い出せませんが、とても俺と親しかったようです」

「そうか」

「はい」

始祖

その正体はシーアにもわからなかった

「他には何か?」

「俺には何か強力なチカラが宿っているということ

また、それによって俺の傷が出来たことがわかりました

ただ、そのチカラの正体についてはわかっていません」

「チカラ?」

「はい

何か紋章のようなものだと思われます

もしかしたら、俺の身に宿っている正体不明の紋章の正体なのかもしれません

違うのかもしれません」

「そうか

他にはまだあるか?」

「いえ、他には何も


団長、たまにはきちんとお休みになられたら如何ですか?

最近顔色が悪いですよ」

シーアは話を唐突に切り換えた

「そうだろうか?」

「そうですよ

カタリナ副団長も気にかけておいででしたよ」

「カタリナもか…」

「ええ。

いいですか、グレン団長

気を配るのと、気を張るのとでは違うことなのですよ?

気を配るなとは言いません

ですが、もう少しご自分の身体を大切にして下さい

俺の夢見が正しければ、後にグレン団長に厄が起きると出ています」

「なに?」

「今まで黙っていましたが、俺はときどき予知夢を見ることがあります

それは必ず正夢となる

たとえ、それが吉夢であろうと、凶夢であろうとも」

「それが本当ならば…」

「ええ

ですから、俺は今まで黙っていたのです

ですが、気負いしないで下さい

きっと何か解決の糸口があるでしょう」

「そうだといいがな」

「では、俺はこれで失礼致します

団長もきちんとゆっくりお休み下さい

でないと、カタリナ副団長が心配のしすぎで寝込んでしまいます」

「そうだな」

「では、お休みなさい」

「シーア」

「はい?」

「お前は私にとってはアクアと同様、息子みたいなものなのだからな」

「…

もう一つ言っていないことがありました

記憶の中での俺は女でした」

「!?」

「では」

シーアはそれだけを言うとグレンの部屋から出て行った






あいつが夢の中で女だったと言っていたが、それが真実だとすれば…

あの伝承に出てくる女かもしれない

年齢はわからないが、背格好はシーアと同じものだったと思う

ただ、子供の頃に読んだ本の話だから、記憶は曖昧なものではあるが…

あの本を探してみようか


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